
雨の日のお出かけは、車椅子をご利用の方や介助される方にとって、「車椅子用レインコート」選びが非常に重要です。
単に雨をしのぐだけでなく、車椅子の操作を妨げないか、また、利用者様が脱ぎ着が簡単にできるか、が重要なポイントになります。
この記事では、車椅子用レインコートの選び方から、快適に利用するためのコツまで、徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 「車椅子用レインコート」の基本的な種類とメリット
- 失敗しないための具体的な選び方のポイント
- 介助者・利用者双方が知っておきたい利用のコツ
- 最適な車椅子用レインコートのおすすめ
Contents
失敗しないための「車椅子用レインコート」を徹底解説
- 失敗しない!車椅子レインコートの選び方
- 知っておきたい!レインコート利用のコツと注意点
失敗しない!「車椅子用レインコート」の選び方
車椅子レインコート選びで後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、製品選びの際にチェックすべき具体的な要素を解説します。
形状(ポンチョ型・セパレート型・使いきり型)で選ぶ
レインコートの形状は、使い勝手に直結します。主に以下の3タイプから選ぶことになります。
- ポンチョ型:
車椅子に座ったまま上から被るだけで着用でき、脱ぎ着が簡単なのが最大のメリットです。
利用者の身体だけでなく、車椅子の足置き部分まで広く覆えるため、車椅子を雨から守りたい場合にも適しています。
ただし、風が強い日は裾がめくれ上がりやすいという注意点があります。 - セパレート型:
上着とズボンが分かれているため、雨の侵入を防ぐ防水性が高く、特に自走される方や長時間屋外で過ごす場合に適しています。
着脱に手間がかかるため、介助者がいる場面での利用が一般的です。 - 使いきり型:
5枚入りなどパックで販売されており、急な雨や備蓄用として優れています。
軽量で持ち運びやすく、使用後の手入れが不要な点がメリットですが、耐久性は日常使いの製品に劣ります。
素材と機能性(防水・撥水・防風)をチェック
雨を防ぐ基本性能として、防水性と撥水性があります。
撥水性は水を弾く性能、防水性は生地内部への水の浸入を防ぐ性能を指します。
長時間雨にさらされる場合は、水の浸入を防ぐ防水性の高いビニールやポリエステル素材を選びましょう。
防水性と撥水性は異なります。撥水性が高くても、濡れた場所に座ると水が染み込む場合がありますので、浸水を防ぎたい場合は「防水性」の高いものを選ぶようにしてください。
また、冬場や風の強い日は防風性も重要です。
厚手の生地やビニール素材は、冷たい風や雨から身体を守り、結果的に防寒効果も得られます。
特にピロレーシングの製品のように、厚くしっかりした生地は、車椅子をこぐ際に生地がタイヤに巻き込まれるリスクを減らす安全面でのメリットも提供します。
介助のしやすさと安全性に関する機能
介助者がスムーズに作業できる機能も重要です。介助の負担軽減につながる具体的なポイントは以下の通りです。
- 開閉部の仕様: 襟元や前開き部分がマグネット式になっていると、指が不自由な方でもご自身で開け閉めしやすく、着脱の簡単さに繋がります。
- 車椅子固定機能: 裾のめくれ上がりを防ぐためのストラップやゴムが足元にあると、風の強い日でも車椅子にしっかり固定でき、安全性が高まります。
- 介助用開口部: 背中部分に車椅子の持ち手を通すためのスリットや開け口がある製品は、車椅子ごと全体を覆って操作できるため、介助者も濡れずに済み、車椅子も雨から守れます。
視界の確保と夜間安全性
雨の日は視界が悪くなるため、フードやバイザーの透明性も確認しましょう。
クリア素材が広範囲に使用されている製品は、横からの視界も遮らず、音もこもりにくいため、安全性の向上に貢献します。
さらに、夜間の移動を考慮し、反射テープや反射材が背中や肩に配置されている製品を選べば、車のライトなどで光り、周囲に存在を知らせることができるため安心です。
「車椅子用レインコート」のおすすめ5選
ここまで、選び方や、利用時の安全確保のための注意点について詳しく解説いたしました。
そこで、これらの選定基準に基づき、特に機能性や利用者からの評価が高いおすすめ製品を厳選してご紹介します。
介護福祉士監修 車椅子用ポンチョ Hathi
現役の介護福祉士が監修し、利用者様にも介助者にも使いやすさを追求した車椅子用レインポンチョです。
ポンチョ型で首回りも広く、座ったまま簡単に着脱でき、首元のWファスナーで着脱時の負担を軽減します。
足元のストラップで風によるめくり上がりを防ぎ、背中の開け口から車椅子のハンドルを出せるため、車椅子ごと覆って安全に操作できます。
透明バイザー付きで視界も良好、夜間も安心な反射テープ付きで、悪天候時の外出をしっかりサポートします。
こんな人におすすめ
車椅子に座ったまま、介助を受けながら楽に脱ぎ着したい方。
介助者が車椅子ごと覆って安全に操作できるレインコートを求めている方。
風でめくれ上がりにくいよう、しっかり固定できる機能が必要な方。
ピロレーシング 車椅子用レインコート
EXPO2025大阪・関西万博にも提供実績を持つ、車椅子での移動を最優先に考えた日本製の高性能レインコートです。
厚くしっかりしたビニール生地と立体裁断により、車椅子をこぐ手とハンドルの間に生地が入り込みにくく、タイヤへの巻き込みのリスクを軽減し、快適な操作性を実現します。
マグネット開閉式で指が不自由な方でも着たままで簡単に開閉可能。クリア素材のフードで視界と音を遮らず、夜間も反射テープで安心な、安全性を徹底した設計です。
こんな人におすすめ
車椅子操作時の安全性や快適な「こぎやすさ」を最優先したい方。
指が不自由で、マグネットで簡単に脱ぎ着できるレインコートが必要な方。
生地の厚さや立体裁断など、車椅子移動に特化した機能性を重視する方。
防水タイプ 車いす用レインポンチョ
防水加工のポリエステル素材に縫い目の目止めテープも施し、雨の侵入をしっかり防ぐ車椅子用レインポンチョです。
介助される方の手元が濡れにくいよう配慮された設計で、フード口の調整も可能。両肩には反射テープが付いているため、夜間も車のライトを反射して存在を知らせ、安心して移動できます。
軽量で、持ち手に面ファスナーが付いた収納袋が付属しているため、車椅子のハンドルなどに簡単に取り付けられ、持ち運びに便利です。
こんな人におすすめ
軽量(約230g)で、持ち運びに便利なレインポンチョを探している方。
介助者の手元も雨から守れるよう配慮された設計を求める方。
車椅子のハンドルに簡単に取り付けられる収納袋が必要な方。
介護支援専門員監修 車椅子用ポンチョ Douray
介護支援専門員監修のもと、着脱の容易さと機能性を両立させたポンチョ型のレインコートです。
車椅子に座ったまま上から被るだけの簡単着脱で、利用者様の負担を軽減。
背中部分の開け口により、車椅子全体を覆ったまま介助操作ができ、車椅子自体も雨から守ります。
表面撥水・縫い目防水テープ加工の高品質ポリエステル素材で、防水・防風性が高く耐久性も抜群。
透明バイザーと反射テープで、視界と夜間の安全な外出をサポートします。
こんな人におすすめ
車椅子に座ったまま、介助者によって簡単に着せてもらえるレインコートが必要な方。
車椅子ごと覆いたいが、操作用の開け口は欲しい介助者の方。
透明バイザーと反射テープで、視界と夜間の安全性を確保したい方。
使いきりタイプ 車いす用レインコート(5枚入)
お出かけ時の急な雨や、備蓄用として最適な使いきりタイプの車椅子用レインコートが5枚セットになっています。
背中のスリットから車いすのハンドルを通し、後ろのヒモを結ぶだけのシンプル設計で、いざという時にもすぐに使用できます。
雨や泥はねで汚れてもお手入れ不要で、使用後に乾燥させる手間がかかりません。
1枚ずつ個包装になっているため、外出時の携帯に便利で、急な天候変化にも安心して対応できます。
こんな人におすすめ
突然の雨に備えて、携帯しやすい使い捨てタイプのレインコートを探している方。
使用後の手入れの手間を省きたい方。
災害時など、いざという時のための備蓄品として用意したい方。
知っておきたい!レインコート利用のコツと注意点
車椅子用レインコートは、ただ着用すれば良いというわけではありません。
快適かつ安全に利用を続けるためには、いくつかのコツと注意点を押さえておく必要があります。
ここでは、特に利用者様と介助者双方が知っておくべきポイントを解説します。
快適な操作性とタイヤ巻き込みへの注意
自走される方がレインコートを使用する際、最も注意すべきはタイヤへの巻き込みです。
生地が柔らかすぎたり、大きすぎたりすると、ハンドリムと手の間に生地が入り込んだり、タイヤに巻き込まれたりする危険性があります。
安全を確保するために、ピロレーシングの製品のように、厚くしっかりした生地や立体裁断によってタイヤに巻き込まれにくい設計になっているか確認してください。
【最重要注意点】
レインコートの裾がタイヤや車輪に引っかかっていないか、利用前と利用中に必ず確認してください。
特に電動車椅子の場合は、巻き込みにより操作レバーが倒れたまま暴走するなどの重大な事故報告があるため、前部分の長さには十分にお気を付けください。
もし既存のレインコートが長すぎる場合は、ハサミなどでご希望の長さにカットして調整することも可能です。
ただし、防水性が損なわれないよう、切りっぱなしで処理できる素材かどうかを事前に確認しましょう。
脱ぎ着のコツと濡れずに畳む方法
ポンチョ型は脱ぎ着が簡単ですが、脱いだ後の処理にもコツがあります。
雨水などがついた状態でそのまま畳むと、内側まで濡れて不快になってしまいます。
そこで、脱ぐ時にレインコートを裏返しに脱ぐことをおすすめします。
こうすることで、雨水がついた面が外側ではなく内側となり、膝の上などで畳んでも濡れにくくなります。
畳んだ後は、持ち運びやすい収納袋に入れると便利です。
また、着用する際は、車椅子に座った状態で上から被るのが基本です。
無理に立った状態で着用しようとするとバランスを崩す危険性があります。
介助の負担軽減のためにも、必ず座った状態で介助者がサポートしながら着用するようにしてください。
素材ごとの手入れと保管方法
レインコートの多くはポリエステルやビニール素材でできています。
高熱に弱い素材が多いため、タバコやストーブ、焚き火などの熱源の近くでの使用・保管は避けてください。
また、使用後は必ず乾燥させてから収納することが、カビや劣化を防ぎ、製品を長く安全に使用するための基本です。
撥水性が落ちてきたと感じたら、乾燥後に防水スプレーでお手入れをしていただくことで、防水効果を回復させ、より長く快適にご使用いただけます。
まとめ:「車椅子用レインコート」おすすめ5選!失敗しない選び方
雨の日の外出は、利用者様にとっても介助者の方にとってもストレスになりがちですが、この記事でご紹介したように、機能性の高いポンチョを選ぶことで、その負担を大きく軽減することが可能です。
マグネット式や背中の開口部など、ご自身の利用状況に合った製品を選べば、雨の日でも安心して、快適にお出かけができるでしょう。
ぜひ、この記事を参考に、雨対策を万全にしてお過ごしください。
| 製品名 | 主な特徴 | 安全性・介助機能 | 適している方 |
|---|---|---|---|
| Hathi (介護福祉士監修) |
ポンチョ型、透明バイザー、Wファスナー | 足元ストラップでめくれ防止、背中開け口(介助操作可能)、反射テープ | 介助者による着脱のしやすさ、高い防水性を求める方 |
| ピロレーシング | 厚手ビニール生地、立体裁断、マグネット開閉 | タイヤ巻き込みリスク軽減、クリアフード(視界良好)、反射テープ | 自走される方、操作性を重視する方、指が不自由な方 |
| 防水タイプ (02004056) |
軽量(約230g)、ポリエステル防水素材 | 両肩反射テープ、フード調整可、介助者の手元に配慮した設計 | 軽さ・携帯性を重視する方、短時間の外出が多い方 |
| Douray (介護支援専門員監修) |
ポンチョ型、透明バイザー、高品質ポリエステル | 足元ストラップ、背中開け口、正面・背中反射テープ | 視界の良さと固定機能を重視する方、介助での着脱を主とする方 |
| 宇都宮製作 (使いきりタイプ) |
使い切りタイプ(5枚入)、フリーサイズ | 背中スリット(ハンドル通し)、ヒモ結び固定 | 緊急時・備蓄用、一時的な雨対策、使用後の手入れを避けたい方 |
この記事の要点
- 車椅子レインコートはポンチョ型が着脱簡単で人気
- 自走する方はタイヤ巻き込み防止の設計か確認する
- 厚手の生地は防風・防寒効果もあり耐久性も高い
- マグネット式留め具は指の不自由な方でも操作しやすい
- 介助者の負担軽減には背中開口部のある製品がおすすめ
- 風によるめくれ上がり防止には足元のストラップが有効
- 透明フードや反射テープは夜間の安全性を高める必須機能
- ピロレーシングは操作性に特化した設計が特徴
- Hathiは介護福祉士監修で介助のしやすさを追求している
- Dourayはストラップや反射テープで安全・固定機能が充実
- 軽量な防水タイプは携帯性と手軽さを重視する方におすすめ
- 使いきりタイプは緊急時や備蓄用として用意しておくと便利
- 使用後は裏返しに脱ぐと濡れずに畳めるので便利
- 熱源の近くでの使用や濡れたままの保管は製品劣化の原因になる
- 撥水性が落ちたら防水スプレーでお手入れできる
